『期待値』とは何か？
投資において『期待値』とは、長期的に見込める平均的な結果を示す指標です。簡単に言えば、何度も同じ投資を繰り返した場合に、どのくらいの利益や損失が予想できるかを表します。この概念を理解することで、感情に左右されず、論理的かつ冷静な判断が可能になります。
『期待値』が重要な理由
では、なぜ『期待値』が重要なのでしょうか？その理由は、『期待値』を基にした投資判断が、短期的な損益に惑わされず、長期的に安定した結果を得るための鍵となるからです。
一つの取引で損失を出しても、もしその取引の『期待値』がプラスであれば、同じような取引を続けることで、最終的に利益を得る可能性が高くなります。逆に、『期待値』がマイナスの取引を続けてしまうと、長期的には損失を積み重ねることになります。これが『期待値』の大切なポイントです。感情に左右されず、冷静に数字を見て判断することが、投資において成功するための秘訣です。
『期待値』をコイントスの例で考える
より具体的な例を挙げて『期待値』を理解してみましょう。例えば、コインを投げて表が出たら100円がもらえ、裏が出たら50円を失うというゲームを考えてみます。この場合、コインの表が出る確率は50％、裏が出る確率も50％です。この条件で『期待値』を計算すると、以下のようになります。
- 表が出る確率：50% → 100円貰う
- 裏が出る確率：50% → 50円払う
- 期待値 = （100円 × 50%） + （-50円 × 50%） = 50円 – 25円 = 25円
このゲームの『期待値』は1回あたり25円のプラスです。つまり、このゲームを長期的に繰り返すと、平均的には1回あたり25円の利益が期待できるということで、これを1,000回繰り返すと理論的には25円 × 1,000回 = 25,000円の利益が期待できることになります。
ただし、これはあくまで長期的な平均値に基づく計算です。実際の1,000回の取引では、25円ずつ確実に利益が出るわけではなく、損をすることもあれば、もっと大きな利益が出ることもあります。しかし、取引回数が増えるにつれて結果は期待値に近づいていく（いわゆる「大数の法則」）ため、長期的には25,000円前後の利益を得られる可能性が高まるということです。もちろん、短期的には負けることもありますが、長い目で見れば利益が積み重なるのです。これが、『期待値』がプラスの取引を選ぶことの重要性です。
『期待値』を使った投資戦略
投資家は、常に『期待値』の高い取引を見極めることが求められます。例えば、株式投資や先物取引では、過去のデータを分析し、その取引がどれほどの『期待値』を持っているかを計算することが重要です。短期的な損益に囚われず、『期待値』がプラスの取引を続けることで、最終的には安定したリターンを得られる可能性が高まります。
また、『期待値』がマイナスの取引は避けるべきです。たとえ短期的に大きな利益が得られるように見えても、長期的には損をする可能性が高いためです。投資においては、勝ち負けよりも、いかに『期待値』の高い取引を積み重ねられるかが成功の鍵となります。
まとめ
『期待値』は、投資家にとって非常に重要な概念であり、長期的に利益を得るための指針となります。『期待値』を理解し、それを基にした投資戦略を立てることで、感情に振り回されずに冷静な判断ができるようになります。投資の成功は、一回の取引の結果に左右されるものではなく、長期間にわたる取引全体の『期待値』に基づくものです。これからの投資において、ぜひ『期待値』を意識して取り組んでみてください。
